千葉県に大きな被害をもたらした台風15号、千葉市で観測された最大瞬間風速57.5mには流石に驚きました。私は日曜夜お客様対応で成田のホテルの15階に宿泊しておりました。強風による揺れと、窓ガラスをたたく音になかなか眠ることが出来ませんでした。20年前、プエルトリコ駐在時に大型ハリケーンに遭遇し最大瞬間風速65mを経験しましたが、その時の恐怖が蘇ってきました。
うちの当社や拠点の建屋も一部損壊し、社用車も飛来物によりガラスが破損しました。従業員の自宅や車も同様のようです。千葉全体で多くの被害が出ています。未だ停電が継続中の地域もあります。台風一過の猛暑の中、皆さんの健康が心配です。被害にあわれ、生活に不自由をされている方々に心からお見舞い申し上げます。
今日、9月11日を迎えるたびにアメリカ同時多発テロ事件の記憶が呼び覚まされます。当時私はトヨタ自動車の米州営業部に在籍しており、北米出張の途中で9月11日を迎えました。その日の朝、ニューヨークマンハッタンのホテルからハドソン川を挟んで対岸にあるニューアーク飛行場に移動し、カナダ・ハリファックス行きのフライトを待っていました。そのうちにフライトが遅れると言う表示が出され、何かあったのかなと思っていたところ、周りのみんなが異口同音にあれを見ろ!ともうもうとした煙に包まれているワールドトレードセンターの方を指さしました。距離はありましたが、肉眼ではっきりその様子は確認できました。
何が起きているか全く理解できない中、自動小銃を抱え、爆弾捜査?のための警察犬を連れた多数の警察官が空港内に入ってきて、我々は荷物を持って空港から出るように促されました。トヨタのニューヨーク事務所にコンタクト試みたものの、当たり前ですがつながるわけもなく、とにかくその夜の宿を確保し、長蛇の列に並んでタクシーでホテルに移動しました。ホテルは治安の悪いところにあったため身の危険を感じ(大袈裟ですが)夜中にチェックアウトし、連絡が取れたニューヨーク駐在の同僚の家に転がり込みました。その後まともなホテルに移動し、帰国できたのは一週間後でした。
今考えてもあれは何だったのかという思いが募ります。多くの犠牲者を出して何が残ったのか。ごく当たり前の、決して特別なものでない生活を一瞬にして破壊されてしまった多くの方々を思うと無念でなりません。有り難いものに対し感謝すると同時に、当たり前のものに対しても感謝する気持ちの大切さを感じます。今回の台風、そしてSeptember 11, 時も場所も影響の大きさも違いますが、当たり前の生活を送れることがいかに有り難いことかを改めて感じました。